2015年の今、ヒートマップがウェブ解析において有効である理由とは

サイト改善を行う際、ページビューなど、従来の解析方法で把握できる数値だけでは、本当に価値のあるコンテンツを見つけ出すことは難しくなってきた。そのため、来訪したユーザーの行動をつぶさに追うことで、サイトの価値を支えるコンテンツの良し悪しを見分けることが大切になってくる。

今回、ヒートマップ対応のアクセス解析ツール「User Insight」やソーシャルメディア分析ツール「Social Insight」などを提供する株式会社ユーザーローカルの渡邊和行氏に、2015年に入ってから見えつつある、ウェブ解析の変化について解説いただいた。

モバイルとSNSの普及により到来した新たなメディアの潮流

株式会社ユーザーローカル 取締役 COO
渡邊和行氏

「昨年末あたりからキュレーションメディアやバイラルメディアのような、新しいメディアのサービス事業者さんから、問い合わせが急激に増えてきています。今、ウェブ解析で一番熱い話題は、この分野に関するものです」(渡邊氏)

かつてウェブサイトへの流入は、バナーなどのウェブ広告や、もしくは検索エンジンからのアクセスが主流だった。だからこそ、検索エンジンで上位に表示されるため、多くの人々がSEO対策に知恵を絞ったわけだ。しかし、スマートフォンの普及に伴い、SNSやキュレーションメディアのような新たなメディアからの流入が急速に増加している。

ページビュー数からはコンテンツの質を判断できない?

もし単純にページビューを重視するのであれば、各SNSのタイムラインに表示されるタイトルやサムネイルをインパクトのあるものにすればいい。反響を上げるための定石とも言える行為である。そして、実際そのような手法をとるメディアも多い。

「ですが、それでPV数が稼げたとしても、訪れた先のコンテンツに内容が伴っていなければ、ユーザーは失望して、簡単に離れていってしまいます。それではユーザーがサイトに定着してくれません」(渡邊氏)

安易なシェアや引用などを用い、ユーザを煽るようなタイトルやサムネイルで集客を行う行為が一般的になるにつれ、コンテンツの質を測る指標として、ページビューだけでは、有効な指標と呼べない状況となってきた。こうした背景の中で、ページビューの多寡だけでなく、来訪者がそのコンテンツを最後まで読み通せたかどうかを把握することができれば、”内容が伴っているか”を測るのに有効だと言える。

「現在、客観的にコンテンツの良し悪しを測るのであれば、ヒートマップを用いたウェブ解析が最も有効だと考えています。(渡邊氏)」

ヒートマップによるアクセス解析でコンテンツの質を評価

ヒートマップは、ウェブサイトにおけるユーザーの行動(マウスカーソルの動き、滞在時間など)を、サーモグラフィー風に可視化するツールである。ユーザーローカルではヒートマップ機能に加え、多種多様な解析機能を持つアクセス解析ツール「User Insight」を提供している。

例えば、ページビューが多い記事であっても、ヒートマップで見た時にページ上部しか読まれていないのであれば、タイトルと記事の内容に乖離があるか、もしくは記事の質そのものに問題があると考えられる。一方、ページの最後まで読まれているのであれば、タイトルと記事内容に乖離はなく記事の質にも問題はないと判断できる。

「単に訪れた数だけを示すPV数を比較するよりも、ユーザーが最後まで読んだかどうかを可視化するヒートマップの方が、より正確にコンテンツの質を評価することができます」(渡邊氏)

PV数が多いコンテンツであっても、ページの一部にしか注目が集まっていないのであれば、必ずしも優秀なコンテンツとは言えない。またSNSなど、メディアの相性によっても効果は大きく異なる。(ユーザーローカル提供のアクセス解析ツール「User Insight」のヒートマップ機能の表示例)

流入元となるメディアとの相性を考慮した解析が必要

メディアの多様化が進む昨今では、コンテンツの質を高めると同時に、SNSやキュレーションメディアなどの外部メディアとの相性を把握することも大切だ。 「メディアにはそれぞれ特徴があります。SNSでも、FacebookやTwitter、そしてLineでは、ユーザー層も、利用する目的も大きく異なります。また、キュレーションメディアも利用目的がユーザー層によって異なります。それらを有効利用するためには、そのメディアと相性が良いコンテンツは何かを知ることが必要です」(渡邊氏) Facebookでは多くのシェアを獲得した記事でも、Twitterではほとんどリツイートされないこともある。質の高いコンテンツであっても、流入元となるメディアとの相性が悪ければ、十分な効果は得られない。

「最近分析して興味深かったのはとあるメディアでFacebookとTwitterでどれくらいコンテンツが拡散されているか調べてみたらTwitterのほうが拡散しているボリュームは大きいのですが、Facebookでシェアされたのを見てサイトを訪れたユーザーのほうがよく記事を読み込んでいて、サイトへのエンゲージメントも高いということがわかりました。こうしたことからどのメディアから流入したユーザーなのか。そして、そのユーザーに対して有効なコンテンツが提供できているか。それらを合わせて分析し、改善のPDCAを回すことが、これからのウェブサイト運営には必要となるでしょう」(渡邊氏)

例えば、Facebookにおいて、記事ごとにファン層やコメント数などの分析を行い記事との相性を分析する。ユーザーローカルが提供する総合ソーシャル解析・管理ツール「Social Insight」では、自社サイト内のみならず、競合するような他社サイトとの比較分析も可能だ。(ユーザーローカル提供のアクセス解析ツール「Social Insight」の表示イメージ)

メディアとデバイスの多様化が進む今、ウェブ解析は、より正確に、そしてより高度なものとなるだろう。これまで、ページビュー数や、担当者の主観でしか判断されなかったコンテンツの質を、ヒートマップなどの客観的な指標によって評価することができるようになった。こうした分析結果を受け、コンテンツの質が高まるように改善できれば、他社との差別化を図るうえでの鍵になりそうだ。

※マイナビニュース参照





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