セグメント化&リタゲで純広告からの獲得効率が10%アップ! サイバーエージェントのヤフー広告活用術

Yahoo!プレミアム広告で集客し、Yahoo!タグマネージャーでユーザーをセグメント化したら、精度の高いYDNサイトリターゲティングで再リーチ

  1. Yahoo!プレミアム広告で良質なユーザーを集客
  2. サイト来訪者をYahoo!タグマネージャーで
    ページ内行動ごとにセグメント化
  3. 見込みの高そうなユーザーに対して
    YDNサイトリターゲティングで再リーチ
  4. → 顧客獲得が10%効率化

これは、株式会社サイバーエージェントがクライアント企業に対して提案したマーケティング施策だ。

具体的には、Yahoo!プレミアム広告のブランドパネルとYahoo!プロモーション広告のYDNサイトリターゲティングを組み合わせたものだが、そこで重要な役割を果たしたのがYahoo!タグマネージャーだった。

純広告でリーチしたユーザーを、Yahoo!タグマネージャーを使ってページ内行動ごとにセグメント化(分類)することで、見込み度合いの高い順にアプローチする。この施策によって、顧客獲得を10%効率化することができた。

施策の提案と運用はどのように進められたのか、担当した同社インターネット広告事業本部の鈴木祥彦氏と斎藤佐智子氏に話を伺った。

Yahoo!プレミアム広告で良質なユーザーを広く集めて
Yahoo!タグマネージャーでセグメント化&再リーチ

鈴木祥彦氏

鈴木 祥彦 氏
株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 第2本部
3局1G

まずは良質なユーザーに向けてしっかりと商品の認知を図りたい。
さらに、リーチしたユーザーを見込顧客、顧客へとステップアップさせたい。

これがクライアント企業(以下、A社)からの要望だった。

「良質なユーザーの集客」には、Yahoo!のプレミアム広告のブランドパネルが利用できる。そして集めたユーザーを顧客化するために、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)のサイトリターゲティングを使って再リーチを行う。

これは、ユーザーに見込顧客から顧客へとステップアップしてもらうための基本ともいえるアプローチだ。

ここで、ステップアップ効率化のために加えた要素が、Yahoo!タグマネージャーを使ったページ内行動によるユーザーのセグメント化だ。

Yahoo!タグマネージャーは、Yahoo!インターネット広告のユーザーに対して提供されているタグ管理ツールで、強力なマーケティング支援機能も備えている。それがユーザーのセグメント化である。

鈴木氏は、Yahoo!プレミアム広告から集客したユーザーを、Yahoo!タグマネージャーを使ってセグメント化することで、顧客化への期待が高い層に向けてYDNサイトリターゲティングで再リーチするという施策を提案した。

サイバーエージェントが提案&実施した施策の流れ
  1. 良質なユーザーを集客Yahoo!プレミアム広告のブランドパネルを使って集客
    • クライアント企業の商品の訴求対象である「30~40代男女」ともマッチ
    • ブランドパネルで最初のセグメント化(30~40代男女)はできているので他のブロードリーチ(YDNなど)は使わない
  2. 行動ベースのセグメント化ランディングページでYahoo!タグマネージャーを使ってユーザーをセグメント化
    • 流入経路ごとにユーザーを分類
    • 滞在時間の長さによって商品に対するユーザーの関心度を判断
    • クリックやマウスオーバーなどのイベント検知によりユーザーが関心を持つ商品を把握

    →YDNサイトリターゲティング用のターゲットリストを作成

  3. 効率的に再訪問促進Yahoo!プロモーション広告のYDNサイトリターゲティングで、期待値の高い(=滞在時間の長い)ユーザーに対して優先的に再リーチ

まずYahoo!プレミアム広告のブランドパネルを使って、『30~40代の男女』に対して訴求しました。これはちょうどA社の商品ターゲットともマッチしています。そして、ランディングページに来たユーザーを、『滞在時間』と『訪問履歴の有効期間』(サイトリターゲティングの配信対象期間)でセグメント分けしました。

滞在時間に注目したのは、商品への関心度を測る要素として相関性が強いと判断したからです。ランディングページでじっくりと商品の説明を読んでいれば、滞在時間は長くなるはずです。『滞在時間が長いほど関心度が高いユーザー』と仮説を立てて、YDNサイトリターゲティングで優先的に再リーチすることにしました」(鈴木氏)

過剰なセグメント化は逆効果になることも
手段が目的にならないように注意

2013年10月からYahoo!インターネット広告のオンライン登録ユーザーも利用できるようになったYahoo!タグマネージャー。

Yahoo!タグマネージャー
2013年10月からYahoo!インターネット広告のオンライン登録ユーザーも利用できるようになった

Yahoo!タグマネージャーには、コンバージョン用タグなどの「タグ」を使ったユーザーセグメントが可能だが、さらに詳細な条件設定とセグメント化機能が備わっている。

A社の施策では、ランディングページに複数の商品説明を載せ、マウスオーバーの検知によってユーザーの興味関心対象を把握することも行った。ただし、技術的に可能だからといってセグメントを細かく分け過ぎることは禁物だと鈴木氏はいう。

クライアントはセグメントを細かく分けることを望むかもしれませんが、粒度が小さすぎるとセグメント当たりの広告配信量が少なくなり、その後のPDCAが回せなくなってしまいます

「ユーザーをキレイに分類できました!」で終わってしまっては意味がありませんし、セグメント化が目的になってはそれこそ本末転倒です。セグメントの粒度をどの程度にするか、試行錯誤を重ねました。

この施策を行った結果として、顧客獲得効率が10%ほど改善されました。もちろん、この10%すべてがセグメント化のおかげだと証明することは難しいですが、効果は確実にあったと確信しています」(鈴木氏)

これからの広告担当者に求められるのは
セグメント化とターゲットリストの見極め力

鈴木祥彦氏

サイバーエージェントの施策によって、A社は10%の顧客獲得効率化を達成した。しかし、Yahoo!タグマネージャーやYDNサイトリターゲティングでできることを考えると、これはまだ入り口に過ぎない。

鈴木氏も「Yahoo!タグマネージャーを活用した施策には、まだまだ大きな可能性がある」という。

今回の施策の明確な成果としては、『10%の獲得効率化を達成した』というだけです。しかし、実際に施策を行ったことで、セグメントを切り分ける際のポイントや優先度をどう判断すべきか、データとして確認できたことは大きいです。

これまでも、『デモグラフィックで分ける』『離脱してからの日数で分ける』『見ているページで分ける』など、セグメントの切り口は無数に考えられました。その中で、どの切り口がもっとも影響を与えるのか、これまでの仮説がデータとして裏付けられました。

今回の施策では、滞在時間を中心にYahoo!タグマネージャーで『ユーザーがどういう動きをして離脱したか』というシナリオを50~60パターン設定しました。そして、『10秒未満で離脱したユーザー』のように条件ごとに並べることで、どの要素が強く影響するのか可視化できました。

ただし、この程度のことは各代理店とも当然把握しているはずです。今後は、クライアント企業の業種や商材に対して持っている『どういった要素を軸にセグメント化するか』『リターゲティングでどの要素を重視するか』といったノウハウが、代理店を評価する物差しになるのではないでしょうか」(鈴木氏)

重要なのは広告手法ではなくクライアントにもたらす価値
目指すのは総合的に提案できる広告代理店

斎藤佐智子氏

斎藤 佐智子 氏
株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 第2本部
SEMメディア局

サイバーエージェントには、Yahoo!プロモーション広告などのSEMを担当するチームと、Yahoo!プレミアム広告を担当するチームが存在する。

A社に対しては、これまで両チームからの施策提案は個別に行われてきた。しかし、今回の要望は、Yahoo!プレミアム広告とYahoo!プロモーション広告を組み合わせることで応えられるかもしれない。こうして、両チームの連携による提案がなされた。

鈴木氏と同じく、同社のインターネット広告事業本部でメディア視点でのSEMに取り組む斎藤佐智子氏は、総合的な視点で提案することが重要だと指摘する。

リスティング広告を担当していると、どうしてもその範囲内だけで施策を考えてしまいがちです。組織上そうなるのは当然かもしれませんが、一方でサーバーエージェントとしての強みは両方を提案できるところです。

広告代理店として重要なことは、リスティング広告か純広告かに関係なく、クライアントに対してどれだけ価値ある提案をできるかです。その意味でも、今回のように広告手法にこだわらないクライアント視点の提案を、特別なものではなく当たり前のものとして増やしていきたいです。

Yahoo!インターネット広告の大きな特徴の1つは、Yahoo! JAPANという国内屈指の媒体を持ち、SEMだけでなく純広告も利用できる点です。さらに、Yahoo!タグマネージャーやYahoo!アクセス解析などのマーケティング支援ツールを提供することで、広告全体を横断して活用するための環境を整えています。弊社も正規代理店として、このような環境を一緒に作っていく役割があると考えています。

Yahoo! JAPANは「マーケティングソリューションカンパニー」というキャッチフレーズを掲げていますが、同じように弊社もクライアントに対して総合的に提案できる代理店を目指しています。

その一貫として、Yahoo!タグマネージャーの活用ノウハウを追求するために、技術的なサポートチームを社内に設けるなど、Yahoo!プレミアム広告とYahoo!プロモーション広告で、相乗効果を生み出すための体制を準備しています」(斎藤氏)

今後の課題はセグメント化された見込顧客との
コミュニケーション設計&最適化

Yahoo!プレミアム広告とYahoo!プロモーション広告それぞれの長所を、Yahoo!タグマネージャーを使って引き出した。これが現在の状態だ。今後、さらに獲得効率を高め、獲得数そのものも増やすためには、ユーザーとのコミュニケーションをどう設計していくかが焦点になると鈴木氏は考える。

セグメント化されたユーザーに対して、どのようにコミュニケーションを取っていくか。今後の課題はこれに尽きます。

Yahoo!プレミアム広告をきっかけに入ってきたユーザーに、顧客までステップアップしてもらう。その間には、商品名や社名で検索してもらうなど、もう1ステップ、2ステップが必要になります。

そこがシンプルでストレートなスポンサードサーチとは異なり、手間と時間がかかるところですが、見込顧客を数多く連れてくることができるという長所もあります。顧客に引き上げるまでのプランをどうするか。それがこの施策のポイントです。

今回のA社で実施した施策は、ひと言でいえば『期待値の低いユーザーを除いた』だけです。それだけでも10%効率化できたわけですから、クリエイティブや訴求メッセージを個別に用意して最適化を突き詰めれば、さらによくなるはずです。

セグメント化のためのシナリオを考えるようになって、あらためて広告の裏側にいるユーザーがどのような人物なのかを意識するようになりました。ユーザーの具体像=ペルソナをどこまで鮮明にイメージできるか。そのうえで、クライアント企業のターゲットとしてマッチするのはどのような層なのか。さらに、その優先度(コンバージョンの期待値)をどう判断するか。今後の課題ですね」(鈴木氏)

※Web担当者Forum参照





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