Googleアナリティクスの数値を活かすのに役立つ2つの「思考のフレームワーク」(前編)

今回のお悩み
Googleアナリティクスの数値を活かせていないよう感じます。“サイトの数値”は、どう活かせばいいですか?(前編)

そもそも、数値を活かしたい理由はなんだろう?

先日「Googleアナリティクスを入れている。その数値を活かしたい」という依頼がありました。

「自分だけでやろうとしても、時間がとれないことも多いし、見るところがわからない」という悩みはよく聞くね。来栖君はどうしたの?

Googleアナリティクスをいっしょに見てあげました。数値以外の、有力キーワード候補なども見つかったので、それも指摘してあげました。とりあえず、すごく喜んでくれました。

Googleアナリティクスをいっしょに見ていくと、すごく驚いたり納得してくれることが多いわよね。かといって、私たちのようなコンサルタントに毎回依頼できる人ばかりとも限らないし……。最初にGoogleアナリティクスでどの数値を見るべきか、ある程度パターン化できたらいいですね。

そうだね。じゃぁ今日は「数値を活かしたい」人が、「最初にどんなことをしたらいいか」考えてみようか。ところで、そもそも、なんでそんなに「数値を活かしたい」のだろうね?

「数値を活かしたい」理由ですか? そりゃ数値を確認して、サイトの改善に活かしたいからだと思いますよ。

じゃあなぜ、数値をみなきゃいけないんだろう? 勘で直してもサイト改善になるよね。それで結果が出る人もいるし。

そう言われてみれば、なぜでしょうね? お客さんは「今やっている作業が正しいのか、いまいち自信がない。上司に突っ込まれたら困るから、数値で客観的に説明したい」っておっしゃっていたような気がします。

重大な見落としがないかチェックしたい」という人もいるし、「分析すれば、すごいアイデアが見つかるかもしれない」っていう人もいるわ。

今はうまくいっているけど、理由がわからないので、因果関係を知りたい」っていう人もいましたね。

まとめると、以下のような感じかな?

アクセス解析の数値を活かしたい5つの理由
  1. 今の作業に自信を持ちたい
  2. 上司(クライアント)にうまく現状説明できるようにしたい
  3. 重大な見落としを防ぎたい
  4. 何かアイディアを見つけたい
  5. 因果関係を知りたい

でも、これらの不安を全部解消するには、かなりの数値をチェックしなきゃいけないだろうね。

確かに、②の「上司(クライアント)にうまく現状説明できるようにしたい」とかは、相手の要望によっても変わりますからね。

⑤の「因果関係を知りたい」だって、“何の因果関係を知りたいのか”によって、見るべき数値は変わりますよね。

わぁ……、そう考え出すと、これは大変だわ。パターン化なんて無理じゃないですか? いきなり暗礁に乗り上げましたね。

思考のフレームワーク

うん。いま2人が指摘したように、さっきあげた「数値を活かしたい5つの理由」をすべてクリアしようと思うと、際限がないし、パターン化は無理だ。

パターン化が無理だから、僕達がいっしょに見ればいい」が結論ですね。いろいろ臨機応変にできるし。でも、これって“スマートな結論”とは言えないですよね。

そうだね。でも大丈夫。全部対応しようと思うからいけないんだ。こういうときは、まず数個に絞るといいよ。綾瀬さん、どれに絞ろうか?

私なら、①「作業に自信をもつ」、②「上司に説明する」、③「重大な見落としを防ぐ」の3つですかね。特に「作業に自信をもつ」部分が最優先かなと思います。

そうだね。幸いなことに、この3つは、じつは根本的にはいっしょの問題だ。だからある程度パターン化して対応できる。この3つに共通して大切なのは、「思考のフレームワーク」なんだ。

「思考のフレームワーク」?

「思考のフレームワーク」というのは、文字どおり“考え方の枠組み”のことだよ。顧客が申し込む流れを意識し、考え方の枠組みができると、どの数値を確認すればいいかわかるようになるんだ。

逆に、その考え方を知らないから、確認すべき数値がわからないということはありそうですね。

拙著『世界一やさしいGoogleアナリティクスアクセス解析入門(秀和システム)』 にいただいた感想のなかでも、一番喜んでもらえていたのは、思考のフレームワークに関するものだったんだ。

今回、もっとも重要な2つのフレームワークに関する内容を、拙著から転載・紹介しておこう。

成約数 = 集客数 × 成約率

この公式の右辺には、集客数と成約率のたった2つしか項目(パラメータ)しかありません。

ということは、問い合わせ数を増やしたいならば、このどちらか、もしくは両方をあげるしかないわけです。シンプルですが、強力な理由は、その逆らえない事実を教えてくれるからです。つまり、もし問い合わせ数を増やしたいならば、データを見るまでもないのです。とにかく集客数を増やすことで、理論上は問い合わせ数が増えます。もしくは、サイトを修正して成約率をあげることができれば、問い合わせ数は増えます。逆に言えば、それ以外に対策はありません。

「アクセス解析を何のために行うか?」とざっくりと言ってしまえば、上記の右辺の2つの数値を、より効率よく、かつより高確率であげるためです。

もちろん、問い合わせ数を増やすだけが全サイトの目的ではなく、企業のFAQサイトなどでは、問い合わせ数をむしろ減らすことが大切で、無駄な ページの閲覧数を減らすことを目的にすることもあるでしょう。しかし、多くのECサイトや企業のサイト、お店のサイトでは、やはり上記 のような問い合わせ数(申し込み数)を増やすのが目的ですから、おおむねこの公式が有効です。

※「世界一やさしいGoogleAnalytics」P.41から抜粋
Ri-Turban’s

サイトのボトルネック発見には、心理面を意識したユーザーの気持ちの流れをチェックし、自分たちの何が足りていないのかを チェックできる指標があると便利です。このモデルとして、著者自身は、今は「Ri-Turban’sモデル」を用いています。

  • Recognize(認識し)
  • Interest(興味を持ち)
  • Trust(信頼し)
  • Usability & User Experience(サイトが使いやすく、快適で)
  • Risk Hedge(リスクを避け)
  • Benefit(メリットを考慮し)
  • Affirmative(購買を肯定し)
  • Needs & Wants(必要、もしくは欲しいので申し込む)
  • Surprise(驚くような結果で満足を得る)

Ri-Turban’sは、集客→接客→アフターフォローまでの最低限のチェックリスト(思考のフレームワーク)だと思ってもらうと良いと思います。もし、申し込み数が少ないならば、これらのどこかにボトルネックがあり、ユーザーが躊躇している可能性があります。

※「世界一やさしいGoogleAnalytics」P.48~P.49から抜粋

まず「成約数 = 集客数 × 成約率」。当たり前だけど、成約数が減っているときは、サイトの成約率が下がってきているか、集客数が減っているかのどちらかだ。なので、成約数が減ったのならば「集客(成約率)が下がってしまいました!」などと上司やクライアントに説明できるよね。

シンプルですけど、改めて言われるとそのとおりですね。基本を忘れてはいけないですね。

でも、それでは「なぜ下がったんだ!」と突っ込まれるかもしれない。そこで、次の「Ri-Turban’s」が重要となる。これは、サイトで顧客が申し込む流れをもう少し細かく分析して、サイトのどこにボトルネックがあるのか発見しやすくするためのフレームワークだ。

「Ri-Turban’sをチェックリストとして使え」とのことですが、どう使うのですか?

たとえば、サイトで申し込みが少ないときは、Usability(ユーザビリティ)が悪い可能性もあるし、そうではなくて、商品のBenefit(メリット)がお客さんに伝わっていないこともある。アクセス解析というと、Usabilityばかりを意識してしまう人も多いだろうけど、本来は、言葉でメリットを説明したり、信頼してもらえるようなコンテンツを作ることも重要だ。こういうコンテンツが漏れていないかのチェックに使うんだ。

なるほど。なんとなくわかってきました、こういった作業を行えば良かったのですね。

こういった思考のフレームワークがあると、じゃぁそれをアクセス解析(数値)でどう確認するか?という考え方にかわってくる。次回の後編ではこのあたりを伝えていこうと思う。

前編のまとめ

「サイトの数値を活かしたい!」という要望は多い。当然、そこには多くの不安や期待が入り交じっているけど、まず大切にしたいのは、どんな不安や期待があるのか明確にすること。不安は正体を見ることで、解消できることが多いから。

その上で、現実的にできることを行っていく。このとき、特に初心者の人で問題になるのは、とっかかりが見つからないこと。そのためには、思考のフレームワークを使って、とっかかりを見つけるといい。

今回は、「成約数=集客数×成約率」というフレームワークと、「Ri-Turban’s」というフレームワークをお伝えした。これを意識するだけでも、自分が何をしていて、何をしたらよいのかの、1つの指針にしてもらえるだろう次回は、このフレームワークを、どのようにアクセス解析に活かすのかをご紹介していきたいと思う。お楽しみに!

今日の処方箋

お悩みGoogleアナリティクスの数値を活かせていないよう感じます。“サイトの数値”は、どう活かせばいいですか?

アドバイスアドバイス:まずは、数値が活かせていないこと対する、「不安と期待」を洗い出してみましょう。そこから対応できる範囲を決めていくとうまくいきますよ。以下3ステップで進めましょう。

  1. 12 【2分】 数値(アクセス解析)への期待と、活用できていないことの不安を洗い出してみてください
  2. 3 【1分】 1で洗い出した問題のうち、もっとも解決したいものを2つだけ選んでみてください
  3. 45 【2分】 今回紹介した「成約数=集客数×成約率」と「Ri-Turban’s」というフレームワークを使って、2のヒントになりそうなことは見つかりますか? もし気づきがあれば、書き出してみてください

※Web担当者Forum参照





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