どうなっているの? ネット広告の今と未来

ネット広告といえば「検索連動広告」が市場を引っ張ってきましたが、最近は「バナー広告」が注目を浴びています。「ちょっと古いなあ」と思うかもしれませんが、バナー広告が再燃している背景に迫ってみました。

 

皆さんはインターネット広告についてどのくらいご存じでしょうか? 何も知らなくてもネットを楽しむことはできますが、ネット上には広告を出稿している広告主がたくさんいます。

これまでは検索連動広告※が大きく伸びてきましたが、米国では今、ディスプレイ広告市場が再度加熱しています。ディスプレイ広告とはいわゆる「バナー広告」のこと。そのバナー広告が2012年以降、市場をけん引していくのではないかと見られています。

※検索サイトに入力した検索ワードに連動して表示される広告。
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yd_riku2.jpgUSネット広告市場の対前年成長率(出典:eMarketer.com

バナー広告が成長を始めた理由

バナー広告って古くない? と思われる人も多いでしょう。確かにバナー広告の市場は下落傾向にあったのですが、ターゲティング技術の発達とリアルタイムビッディング(RTB)※という革新的な広告の登場によって、今、再び注目を浴びているのです。

※リアルタイムビッディング:媒体側のシステムが広告会社のシステムに対してリアルタイムにオークションを行い、最高額の入札単価を提示した買い手が競り落とすシステムのこと。

下の画面は、ある米国の広告主が広告を入札する時に使うプラットフォーム(DSPと呼びます)です。

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画面の下部に縦の棒グラフが左から高い順に並んでいます。これは、ある広告主にとって魅力的なターゲットを順に並べたものです。

詳しく見てみると「富裕層、都心在住、大卒、既婚、家所有、車所有というターゲットは人口の0.7%ほどですが、平均よりも22%効果的である」ということが表示されています。

米国ではこうした情報が取引されていて、誰でもターゲティングするための情報を分析し、狙った層に広告を出すことができるのです。その結果、広告主は自分たちの商品・サービスのターゲットを絞って、効率的に広告を配信することができるようになったのです。

リアルタイムビッディングが登場

下の図をご覧ください。DSP(デマンドサイドプラットフォーム)という入札するためのプラットフォームを活用して、多くの広告主がさまざまな広告キャンペーンを配信しています。

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先ほど見ていただいたプラットフォームの画面で、どのようなターゲットが効果がよいかを把握し、いくらで広告を表示すべきか? 入札金額をプラットフォームが計算し、入札をリアルタイムに行っているのです。

ターゲティング技術が発達し、広告の購入方法が変わってきたことによって「このターゲットに1回広告を見せるのに1円」といった細かい買い方ができるようになりました。例えばニンジンを「3本200円」で販売するよりも、バラ売りにして「1本100円」で販売していくようなものですね。1本当たりの単価は少し高くなりますが、3本も食べない消費者からすると“お得”ですよね。

このように効率的な広告の買い方が実現できるようになったことで、ディスプレイ広告市場が拡大しているのです。日本ではまだまだリアルタイムビッディングで取引されている広告量は少ないのですが、あなたのPCや携帯電話などの画面へ広告を表示するために多くの広告主が競い合っている――これからはそんな時代になろうとしているのです。

広告が“もてなし”てくれる

どんな人に広告を出すのか? という時代になってきたので、今度はクリエイティブが大事になってきました。

  • どんなデザインがいいのか?
  • どんなメッセージがいいのか?

広告主はターゲットを想定して、まるで“ラブレター”のようにあれこれ考えて届けているわけです。当然、ランディングページ(広告のリンク先となるページ)までの訴求をトータルで考えることが重要になってきていますので、「誰に」「いつ」「どこで」「どのような」広告を見せて、「どんな」ページへ連れて行くかという5W1Hの設計が大切になってきます。オーディエンス(視聴者)からすると、広告から“もてなし”を受けるといった感じですね。

これまでのバナー広告は、どんな広告面を買うか? ということが中心でした。しかし検索連動広告の登場によって、どんなキーワードを買うか? という時代になりました。そしてこれからのインターネット広告は、どんな視聴者を買うか? という時代になってきます。

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あなたもどこかの広告にターゲティングされて、驚くほどスムーズな“もてなし”を受ける――そんな日がすぐにやって来るでしょう。

ちなみに私たちは未来のインターネット広告を目指して、日々新しい手法の開発にチャレンジしているのですが、未来に近づくための重要なキーワードは“超パーソナライズ”だと考えています。

最近の取り組みは視聴者をセグメントすることによって、関心の強いユーザーのみにバナーを届けるのではなく、リーチしたユーザーごとに興味をひくクリエイティブを出しわける、といった発見から動機形成までの一連の流れをパーソナライズした広告配信を実施しています。

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例えば、30代女性という視聴者に対して、最も興味をもってもらえる効果的なクリエイティブ(バナー、ランディングページ)はなにか? クリエイティブまでパーソナライズした配信を自動で見つけていく仕組み作りを実現しています。

あなたの画面に毎回出てくるバナー広告やクリックした先のランディングページが、ただの“広告”から、あなたのためだけに用意された“想いの込もったプレゼント”になるかもしれません。そんな世界観が、私たちの想像している未来のインターネット広告です。

※ITmediaビジネスONLiNE参照





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